普段、あまり聞き慣れない『おじさん』っていう魚。初めて聞いたときは、『おじさんっていうぐらいだから加齢臭でくさいんじゃない?』って思っちゃいました。
でも、実はおじさんってそのユニークな名前に反し、クセもなくとっても美味しいんです!
ただこのおじさん、とてもめずらしくて、ネットやレシピ本でも料理方法があまり載っていないんです。
今回は『おじさん』をどう料理するといいのか?おいしい食べ方やレシピについてご紹介します。ぜひ試してみてください!
おじさんの特徴
おじさんは、白身がとても肉厚で柔らかめ。皮は厚く、ほのかに甘い香り。くせがないので、味付けがしやすいお魚なんです。
大きめのウロコなので取りやすい!しっかりそぎ落とすことが大切です。
おじさんは、長い距離を泳ぐ魚ではなく、じっとしていることが多い魚。だから、脂質の量が少なく高たんぱくで低エネルギー。消化がよいのが特徴です。
おじさんの選び方のポイントは、触ったときに張りや弾力があり、色が濃く全体的に鮮やかなものを選ぶことです。
おじさんのおいしい食べ方
沖縄ではおじさんは、一般的な惣菜魚として親しまれていて、揚げ物・煮つけ・すり身でも調理されています。奄美では切り身としても流通していることも!味が淡泊なので、練り物の材料としても使われることが多いんです。
また、グリコーゲンが少ないから、冷水で洗うと身が良くしまる!歯ごたえがよくなるんですよ!身のしまりが良いから、昆布締めやあらいも楽しめるわけです。
『おじさんだけに上品な味付けは似合わない!』なんてイメージもありますが、そんなこともありません。身が柔らかいので、煮ても焼いてもお刺身でも美味しく頂けます。
また、身だけでなく皮がとてもおいしいので、皮つきが苦手な人でも敬遠せず、一度は味わってみてください!
刺身
刺身としてもおいしいおじさん!新鮮なものは、甘みがあっておいしいのでびっくりします!
焼く
焼くと皮がパリッと香ばしく、肉厚で柔らかく独特の旨味のある触感を味わえます。ポワレにすると最高級のお魚!といっても過言ではないです。特にバターや油との相性がよいので、香ばしく焼きあげるポワレに向いています。和洋、どちらでも美味しく食べられます。
揚げる
おじさんは、ほどよい脂が乗っているため、揚げ物にも向いています。から揚げにしたら、ネギと砂糖、しょうゆ、酢、水(各大さじ1/2)を混ぜたタレを作って、油淋鶏風に仕上げるのもおすすめです。
煮る
おじさんは、煮魚として調理するのもホクホクしておいしいです。沖縄だと、『まーす煮』と呼ばれる、おじさんに水と塩を少量ずつ煎り煮して作る料理があります。まーす煮で作ると、煮汁におじさんの旨みが染み出るので、皮に甘味が増すので美味しいわけです。
おじさんのおいしい料理・レシピ7選
おすすめのおじさんの調理方法についてご紹介します。難しい凝った料理よりも、素材を活かす調理方法が合う魚なので、ぜひ試してみてください。
1.塩焼き
【おじさんの塩焼きの作り方】
下処理や塩の振り方一つでおじさんをの味は全く変わってきます。まずは、おじさんの下処理から!(お頭付きでも切り身も同じやり方です)
【用意するもの】
- おじさん
- 塩(水の量の10%を準備)
- 常温の水(魚がひたる程度)
- ボール
- キッチンペーパー
塩は『あら塩』がおすすめ。ミネラル豊富な『にがり』や『岩塩』が多く含まれていて、味に丸みや深みがでます。
ウロコ背びれ、内蔵をとったら塩水にひたします。塩水におじさんをつけることで、4つのメリットがあるのです。
【塩水につける4つのメリット】
- 余分な水分が抜ける
- 生臭さの原因の『トリメチルアミン』が水分と一緒に抜ける
- おじさんの余分な水分が抜けることで、身がキュッとしまりくずれにくなる
- グルタミン酸が増えてうまみがアップ
臭いがとれるだけでなく、食感も旨味もUP!ぎゅっと密度の高い味わいを楽しめますよ。
塩焼きにするなら塩水を作り、ひたす『立て塩』という方法がおすすめです。一般的に使われている『振り塩』は、おじさん全体にまんべんなく塩がいきわたりません。つまり味にムラができてしまうのです。
【立て塩の方法】
- ボールに10%の濃度の塩水を作る
- 塩水に処理済みのおじさんをひたす
- キッチンペーパーで表面を軽く拭き取る。厚さが3cmまでの切り身の場合は、約15分で表面がヌルヌルしてきます。塩水から取り出し水分を完全にふき取りましょう。
【焼き方】
フライパンはNG。脂っぽく、また水っぽく仕上がってしまうからです。できれば炭火が美味しいんですけど、中々そうはいきませんよね。その場合、コンロに内蔵されたグリルで、おじさんの余分な脂と水分を落としながら焼くことで、ふっくらジューシーに焼きあがります。
ポイントは、おじさんを焼く前につまようじなどで、皮目に小さな穴を開けることです。もちろん、飾り包丁でもどちらでもOKです。ただ焼くだけだと皮が割れたり破れたり…その理由は、脂や水分を外に出そうとして破れるのです。事前に通り道を開けておけば残念な破け方をすることはありません。
2.おじさんの刺身
【刺身の美味しい食べ方】
刺身は鮮度がいい方が美味しい!ということもありますが、一定期間寝かせることで熟成を進ませ、最大限旨味を引き出し食べるということもおすすめです。
ただし、臭みが増すので、ちゃんとした下処理をするかどうかが美味しく食べられるポイントとなります。
では、これから美味しくなる秘密の下処理方法をご紹介します。
おじさんを買ってきたら、すぐに流水でさっと流しましょう。この面倒なひと手間をかけるだけで、刺身の臭みやヌメリがすっきり取れるんです。
魚の生臭さは『トリメチルアミン』と呼ばれる成分が原因。この成分は水に溶けやすいので、水で洗うことで臭いがとれます。普通に刺身として食べるよりもずっと美味しくなり、クオリティが高い味が楽しめるんです。
さらにおじさんをグレードアップさせたいのであれば、日本酒と塩をもみ込みましょう。塩で旨みがぐっと引き立ち、酒で味がまろやかになるのです。
これは、酒に含まれる成分が、魚臭さの原因「トリメチルアミン」を抑えることができるから。おじさんの質が数ランク上がるでしょう。
酒や塩の味は、残らないので大丈夫です。
【材料】
おじさん 10切れくらい
日本酒 小さじ1
塩 ふたつまみ
【レシピ】
- おじさんをボールに入れ、流水でさっと洗いザルにあげます。キッチンペーパーで余分な水をしっかりとることがポイントです。
- おじさんをボールに入れ、日本酒と塩をまぶし、軽く揉みます。最後にキッチンペーパーで余分な水を取ればできあがりです。
この作業は、食べる前にするのではなく、買ってきたらすぐにすることが効果的!面倒な作業なのですが、このひと手間を加えるだけで、おじさんの質が数段アップし、存在感を引き立てるのです。
おじさんは、刺身で食べるもの美味しいですが、湯霜作りもおすすめです。
ぜひ一度お試しあれ!
3.湯霜作り
さばいたおじさんの身に、熱湯でさっと表面だけに熱を通し、霜降りにするレシピ。湯霜作りにすると皮や身の食感が良くなるだけでなく、旨みが増します。刺身として食べるよりもさらに美味しいです。
4.煮魚
煮付けると皮がぷるぷるとして美味しいのがおじさんの特徴です。
【おじさん一匹の調味料】
- 醤油大さじ1
- 麺つゆ(3倍濃縮)大さじ3
- みりん大さじ3
- 水100m・酒100ml
内臓を取り出し、しっかりと洗ったら湯引きします。あらかじめ熱湯をかけて下処理をしておくことで、おじさんの臭みが和らぎます。これは必ずやってほしいひと手間です。 おじさんと調味料を全て入れて、裏表合わせて20~25分程度煮る。生姜やねぎを加えると、奥深く本格的な味を楽しめます。
5.天ぷら
白身魚のおじさんは、天ぷらにして食べても美味しいです。
【おじさん一匹の調味料】
- 塩少々
- 黒胡椒少々
- 小麦粉1cup
- ベーキングパウダー耳かき1~2杯くらい
- 氷水1cup
おじさんを3枚におろします。腹骨はそぎ切りにし、中骨を切り落とします。一口大にし、切り身に下味(塩・黒胡椒)をふって10分程おきます。天ぷら衣にベーキングパウダーを加えて揚げると、冷えてもカリっとして美味しいです。
6.唐揚げ
内臓を取り出し下処理をしたおじさんの水気をとり、塩や小麦粉を振ります。火が通りやすいように身に3か所切り込みを入れるのがポイントです。高温で3分程度短時間で揚げると、カリッと揚がります。
【おじさん一匹の調味料】
- 小麦粉適量
- 塩適量
- レモン
7.あら汁
おじさんはクセのない白身なので、あっさりした味付けでも濃いめの味付けにもよく合います。みそ汁にすれば骨や皮からダシが出るので、豪快にあら汁にするのもおすすめ。うま味が出てとても楽しめる逸品です。
おじさん料理・レシピのまとめ
【おいしい食べ方】
- 刺身
- 焼く
- 揚げる
- 煮る
おじさんのおいしい食べ方は、どれをとっても逸品!おいしいレシピもご紹介しましたので、ぜひ一度お試しください。
食べたくても、首都圏ではなかなかすぐに手に入らないおじさん。主に食用として置かれているのは、沖縄近辺の島々になります。
東京湾・相模湾などでも獲れる魚なので、市場では稀に販売されているため、手に入った時には思い切り味わってみてください。
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